~『照明と熱帯魚・水草との関係』~

色々なろ過装置

熱帯魚を飼育するだけなら、照明は必ずしも必要なアイテムではありません。
でも、たいていの人は熱帯魚を『観賞用の魚』として飼育することが多いと思います。

せっかく熱帯魚を飼育するのなら、明るい所でその姿をじっくりと眺めてみたいですよね。

 

また、熱帯魚にとってみても、美しい体色を維持するためには『照明』によって光を十分に浴びることはとても大切な要因のひとつです。

 

そして水草を飼育する場合は、 照明を浴びることによる『光合成』は非常に大切です。

モスのようなコケ類などの『陰性植物』は必要な光量は少なくて済みますが、アマゾンソード・アヌビアスナナなどをはじめとした多くの水草はそれなりの光量を浴びて光合成を行わないと、茎や葉が弱々しくヒョロっとしたものになる場合があります。


【照明の種類とメリット・デメリット】

自然の水草は、日光によって光合成を行って成長します。
でも、水槽の場合は『日光』を当てすぎると、『コケ』が生えやすくなったり、昼夜の温度差が大きくなるため、熱帯魚や水草にダメージを与えてしまいます。

そのため、水槽の場合は『照明』が『日光』の代わりに水草に光を与える役割を果たしてくれます。照明器具は現在、『LED照明』『蛍光灯』『メタハラ(メタルハライド)』の3つが主力となっていますが、それぞれメリット・デメリットがあります。



『LED照明』のメリット・デメリット


メリット

  • 消費する電力が少ない(電気代が安くすむ)。
  • 熱を持ちにくいので、水温が上がりにくい。
  • 寿命が長いのでランニングコストが安い。

デメリット

  • 水草の育成に向いていないものがある。
  • 軽すぎるため、ちょっと触ると動いてしまう。

LED照明も最近は比較的安く手に入れることができるようになり、十分な明るさが確保できるため、人気の照明器具になってきました。

消費電力が少ないので電気代が安い・長持ちする・水温が上がりにくい・・・

良いことづくめのような気がしますが、デメリットもあります。

 

『水草の育成に向いていないものがある』

これは、LED照明による光の波長の種類が、水草を育てるための波長と合っていない場合に起きる現象で、『すべてのLED照明が水草を育てることができない』ということではなく、『LEDの光波長によっては、水草がうまく育たない場合もある』ということです。
詳しくは、【LEDと水草は相性が悪い?】で詳しく書いてみたので興味がある方は見てみてください。
また、LED照明は他の照明器具と比べると、非常に軽くできています。
もちろん軽いためのメリットもありますが、照明本体にちょっと触っただけでも動いてしまう、という欠点もあります。




『蛍光灯』のメリット・デメリット


メリット

  • 柔らかい印象の光なので自然に近い照明演出ができる。
  • 水草を育成させるための波長を発することができる。

デメリット

  • 本体が熱を持ちやすく、水温を上昇させる恐れがある。
  • 他の種類と比べると光が弱く、水面のキラメキなどを演出しにくい。

蛍光灯照明の歴史は古く、アクアリウムの初期時代はほとんど全ての水槽が蛍光灯照明でした。
蛍光灯は、一般の家庭でも使用されている白色蛍光灯や、熱帯魚や水草をより美しく見せる色の蛍光灯など色々な種類が販売されていて、気軽に取り換えができるのも大きなメリットです。
水草を育成するために必要な波長を発することができるので、水草水槽に使用することもでき、値段も比較的手ごろなため、現在でも人気が高い照明です。


しかし、LEDやメタハラと比べてしまうと、どうしても光が弱く、同じサイズの照明を使用すると迫力不足になってしまうことも少なくありません。

またメタハラほどではないですが、照明本体が熱くなり水温を上昇させてしまう可能性もあるので、心配な場合は水面から少し離して設置すると良いかもしれません。


『メタハラ(メタルハライド)』のメリット・デメリット


メリット

  • 水草の育成に十分な高光量を発することができる。
  • 直進性が強い光のため、水面の揺らぎなどの演出ができてキレイ。

デメリット

  • 本体が非常に熱を持ちやすく、水温を上昇させてしまう。
  • 他の種類と比べると高価なため、なかなか手が出しにくい。

メタルハライドは、水草を育成させるためには一番向いている照明だと思います。
光量が強いため、水草が必要とする光をまんべんなく与えることができ、また光も直進的なので『水面の揺らぎ』や『魚の影』をうまく演出することもできるため、インテリア照明としてもバッチリです。

ただし、他の照明器具と比べると非常に高価で、安いものでも数万円はかかってしまうため、なかなか手を出しにくいという難点もあります。また、光量が強いため、本体が非常に熱を持ちやすく、多かれ少なかれ水温の上昇は避けることができないと思います。



自分のスタイルにあった照明器具を選ぼう!!

上で、それぞれの照明のメリット・デメリットについて書いてみました。
実際、どれが良くてどれが悪いということはありません。ただし、自分の水槽で何がしたいか、どのように水槽を演出したいかによって選ばないといけない種類が決まってくると思います。

プロ顔負けのインテリア水槽を目指すのなら、水草なども良いものを揃えたいだろうし、そうなると【メタルハライド】が良いと思います。
でも「そこまで多くを求めない」「自分なりの癒しの空間を作りたい」というのなら【LED照明】や【蛍光灯】でも十分です。

重要なのは、『どれが一番優秀なのか?』というより『どれが一番自分の水槽に合っているのか』だと思います。LEDや蛍光灯でも十分な光量があるので、よほどのことがない限り水草もうまく成長すると思います。

ただし、不定期に照明を点けたり消したりするのは熱帯魚の生活サイクルを乱してしまい、ストレスを与えることになります。水草にとってもあまり良くないでしょう。
タイマー式のスイッチを買って照明をつないでおけば、毎日決まった時間に照明の「ON/OFF」ができるので余裕があれば一緒に購入するのをオススメします。


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