~『熱帯魚』と『水温』~
一生を水の中で過ごす熱帯魚にとって、水温の変化は体温の変化に直結しています。
人間でもそうですよね?同じ服装のまま、いきなり暑い所や寒い所へ連れて行かれると調子をくずしてしまうと思います。
熱帯魚は"変温動物"なので、その影響はもっと大きくなってしまいます。
暑いから、または寒いからといって急激に水温を変えてしまうと、温度変化についていくことができず、体調を崩して病気になったり、最悪の場合は死んでしまうこともあります。
そのため、日ごろから水温の変化には十分に気を配ってあげてください。
【ヒーター】と【サーモスタット】
『熱帯魚』はその名の通り『熱帯地域』に生息しているものが多く、日本の魚よりも水温が高い所で生活しているものがほとんどです。
そのため、熱帯魚を飼育するには水温を上げるために『ヒーター』が必要になります。しかし、この『ヒーター』を単体で使用してしまうと、どこまでも水温が上がって行ってしまい、
下手をすると"煮魚"が出来上がってしまうほどに熱くなります。
というわけで、『ヒーター』を使用するときには、温度によってヒーターのON/OFFを切り替えてくれる『サーモスタット』という器具も一緒に用意することになります。
水槽の大きさとヒータの種類の関係
ヒーターの強さは【定格消費電力】によって決まってきます。
もちろん数値の大きい方がより多くの水を温めることができ、逆に数値が小さすぎるとなかなか水槽の水を温めることができず、冬場などは水温がしっかりと上がってくれない・・・ということになりかねません。
下に、水槽の大きさとそれに対応できるヒーターの強さを、おおよそでまとめてみたので参考にしてみてください。
水槽のサイズ | ~30㎝水槽 | ~45㎝水槽 | ~60㎝水槽 | ~75㎝水槽 | ~90㎝水槽 |
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ヒーターの強さ | 50W~ | 100W~ | 150W~ | 200W~ | 300W~ |
ヒーターの種類とタイプ別の特徴

熱帯魚用のヒーターは大きく分けて、
- 温度センサーがヒーターに内蔵されている『サーモスタット一体型』
- ヒーターと温度センサーを別々に用意してサーモスタットに接続する『セパレート型』
- サーモスタット自体がヒーターの中に内蔵されている『オートヒーター』
の3種類に分類することができます。
『サーモスタット一体型』

サーモスタット一体型とは、ヒーターの中に温度センサーが内蔵されているもので、水温を水槽外に設置したサーモスタットのダイヤルで調整する仕組みになっています。
温度センサーが内蔵されているため、水槽の中に入れるのはヒーターだけなので、水槽内や配線がすっきりします。また初期コストでは若干セパレート型より安くてすみます。
ただし、ヒーターかサーモスタットがどちらか一方でも壊れてしまうと、セット丸ごとの交換となってしまい、後々のコスト的には若干高くなってしまうという欠点もあります。
●サーモスタット一体型ヒーターの一例● | |||||
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『セパレート型』

『ヒーター』はヒーター、『サーモスタット』はサーモスタット、というようにそれぞれ別々に用意してそれらを組み合わせて使う方法を『セパレート型』といいます。 水温調整は『一体型』と同じく、サーモスタット側のダイヤルなどで調整するようになります。
このタイプの利点は、ヒーターとサーモスタットのうちのどちらか一方が壊れた場合(主に壊れるのはヒーターですが)、壊れた方だけを交換すれば良いので経済的なのと、
それぞれを好みに応じて組み合わせることができるということです(メーカーが違っていても基本的には大丈夫ですがワット数には注意しましょう)。
ただし、ヒーターと温度センサーを別々に水槽に入れるので、温度センサーが水面より上に出てしまった時に誤作動を起こし異常に加熱してしまう危険性があるのと、水槽が若干ゴチャっとするのが欠点です。
●セパレート型ヒーターの一例● | |||||
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『オートヒーター』

ヒーターを入れるだけで自動的に温度管理を行うのが【オートヒーター】です。
ヒーターの中に温度センサーとサーモスタットが内蔵されているタイプで、温度調節のダイヤルなどは付いておらず、温度が固定で設定されています。
大体のタイプは『26℃前後』に固定されていて大体±1℃くらいの誤差の範囲内で温度管理されていますが、その他の温度で固定するものも販売されています。
ヒーターを入れるだけの作業で自動的に温度管理をしてくれるので最も便利なタイプですが、温度固定のため、病気の治療などで温度を上げたり下げたりしたい時などには対応できないという欠点もあります。
ただし、一部のオートヒーターでは温度を2段階に切り替えることのできるタイプも販売されています。
●オートヒーターの一例● | |||||
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どのタイプが一番いいのか?
熱帯魚飼育の場合、病気や体調不良などの回復方法として温度を上げたり下げたり、というケースもあるので、水温調整を行うことのできる【一体型】か【セパレート型】を選ぶのが良いと思います。
あとは、壊れた時には少しコストがかかるけど水槽廻りをスッキリさせることができる【一体型】、水槽廻りが多少混雑するけど後々のコスパが良い【セパレート型】を好みに合わせて選ぶといいと思います。
ただし、どのタイプを選ぶにしても必ず【水温計】をセットで用意するようにしてください。ヒーターもサーモスタットもいつかは必ず壊れます。
そうなったときに泣くことのないようにエサやりの時などを利用して日々の温度チェックは必ず行うようにしてください。また、余裕があれば予備のヒーターも用意しておけば、いざという時にも安心ですね。
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